外国人労働者とのコミュニケーションが劇的に変わる5つの工夫【現場責任者向け】

介護
  1. 「わかってくれてると思ったのに…」その悩み、あなただけじゃありません
    1. 「外国人スタッフと話が通じない」はよくあることです
  2. 「通じない」は珍しいことじゃない――現場責任者が感じる“あるある”
    1. 「はい」と言われたのに、やってくれなかった
    2. 注意したら無言になる、逃げるような態度をとられる
    3. こうしたすれ違いは、相手を知ることで防ぐことができます。
  3. なぜこんなにすれ違うのか? ――5つの根本原因
    1. ① 言語の壁:「なんとなく分かった」が生む誤解
    2. ② 文化の壁:「指示」や「敬意」の捉え方が違う
    3. ③ 慣れの壁:日本の“常識”は通じないことがある
    4. ④ 非言語の壁:「うなずかない」=理解してない?
    5. ⑤ 指導側の壁:「教えたつもり」がすれ違いを生む
  4. 「伝わる現場」にするための実践テクニック
    1. ① 「やさしい日本語」導入のコツと例文集
    2. ② 伝え方の型:「言う・見せる・やらせる」の3ステップ
    3. ③ LINE・翻訳アプリ・写真など道具の併用術
    4. ④ 「伝わってないサイン」の見抜き方と対応法
  5. 実際に“変わった”現場のリアルな事例
    1. 介護施設:名前を呼んだことで心を開いてくれた
    2. 建設現場:ホワイトボードで“ミス激減”したチームの工夫
    3. 共通点:言葉より「関わり方」が信頼をつくる
  6. 伝わらないのは“能力”のせいじゃない
    1. 外国人スタッフもあなたも、悪くない
    2. 大事なのは「どう言うか」より「どう関わるか」
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「わかってくれてると思ったのに…」その悩み、あなただけじゃありません

「外国人スタッフと話が通じない」はよくあることです

「これ、お願いね」と言ったのに、違うことをしていた。「はい」と返事はしたのに、まったく理解していなかった。そんな経験、ありませんか?実はそれ、あなただけではありません。介護や建設など、現場で外国人スタッフと一緒に働いている多くの人が、同じような壁にぶつかっています。このブログでは、そうした「伝わらない」現場の悩みを、どう乗り越えていけるのか、具体的にお伝えしていきます。

「通じない」は珍しいことじゃない――現場責任者が感じる“あるある”

「はい」と言われたのに、やってくれなかった

伝えたのにやってくれない。この経験は、多くの現場責任者が抱えている代表的な悩みです。
一見、相手のやる気や能力の問題に見えるかもしれませんが、実際は「理解していないのに、反射的に“はい”と言ってしまう」という文化や習慣の違いが原因のことが多いのです。

たとえば、建設現場で「その工具、しまっておいて」と指示したところ、「はい」と返事をした外国人スタッフが、逆に工具を別の場所へ移動してしまったというケースがありました。
これは、「しまう」という言葉の意味を、完全に理解していなかったことが原因でした。

つまり、「はい」と言ったからといって、それが“理解”を意味しているとは限らないのです。

注意したら無言になる、逃げるような態度をとられる

ミスを指摘したら、相手が無言になったり、うつむいて何も言わなくなった。そんな場面に戸惑った経験はありませんか?
このとき、「反省していない」「話を聞く気がない」と感じるかもしれません。

でも、これは文化的な背景による反応である場合がほとんどです。
たとえば、ミャンマーやインドネシアのような文化圏では、「上司に言い返すのは失礼」「叱られると黙るのが礼儀」という考え方が強くあります。

そのため、彼らにとっては「無言=敬意」なのですが、日本人の感覚では「無言=無関心」に見えるのです。

こうしたすれ違いは、相手を知ることで防ぐことができます。

同じことを何度も説明している気がする

「この前も言ったよね?」と感じる場面が何度もある。これは現場責任者にとって非常にストレスになることのひとつです。

しかし、何度も繰り返しているのは、「相手が覚えていない」からではなく、「そもそも意味が伝わっていない」からかもしれません。
特に、日本語特有のあいまいな言い回しや、省略された指示は、外国人スタッフにとって非常にわかりづらいものです。

たとえば、介護施設で「いつものやつやっておいて」と言ったところ、本人は何をすればいいかわからず立ち尽くしていたという事例があります。
これは、「いつものやつ」という言葉が何を指しているのか、日本人なら文脈で察しますが、外国人には難しいのです。

そのため、同じことを言っているようでも、相手に合わせた言い方に変える必要があるのです。

なぜこんなにすれ違うのか? ――5つの根本原因

① 言語の壁:「なんとなく分かった」が生む誤解

意思疎通がうまくいかない一番の要因は、やはり言葉の違いです。
でも、「日本語が苦手だから仕方ない」と片づけてしまうのは、もったいないのです。

実は、外国人スタッフの多くは、「完全にわかっていなくても、わかったフリをしてしまう」傾向があります。これは、恥ずかしさや“怒られたくない”という気持ちから来るものです。

たとえば、「この書類、午後までにコピーお願い」と言ったとき、外国人スタッフが「はい」と返事をしても、午後の何時までかが曖昧で、結果的に間に合わないということがあります。
これは、具体的な時間の明示や、行動の確認がなかったことが原因です。

つまり、単語がわからないから通じないのではなく、“あいまいな表現”が大きな誤解を生むのです。

② 文化の壁:「指示」や「敬意」の捉え方が違う

指示を出したのに、なぜか遠慮がちだったり、逆にやりすぎてしまったり。
これは、文化の違いによる「上司や年長者との距離感」が関係しています。

たとえば、日本では「何でも聞いていいよ」「わからなかったら質問して」と言いますが、相手の国によっては、「上司に質問するのは失礼」という文化があります。

ある建設現場で、「危ないから声をかけてから作業して」と指示したところ、外国人スタッフは声をかけずに作業を開始してしまいました。
理由を聞くと、「上司の指示を疑うように思われたくなかった」とのことでした。

つまり、“悪気がなくても、文化のズレで誤解が起きる”ということです。

③ 慣れの壁:日本の“常識”は通じないことがある

「なんでそんなことも分からないの?」と思ってしまうことがあるかもしれません。
でも、そこでイライラする前に思い出してほしいのは、日本の“現場の常識”が、相手にとっては初めてかもしれないということです。

たとえば、介護施設で「タオルは白いカゴに入れて」と言ったところ、カゴの色ではなく形や場所を見ていたため、別のカゴに入れてしまった例があります。

これは、「白いカゴ」という情報が、日本人には当たり前でも、外国人スタッフにとっては「見分ける基準として優先度が低い」という違いがあったからです。

つまり、“常識”を共有している前提で指示すると、通じなくなる”のです。

④ 非言語の壁:「うなずかない」=理解してない?

日本人は話を聞きながらよくうなずきますが、これは世界的には珍しい文化です。

外国人スタッフが、指示中に無表情だったり、うなずかないことで「聞いてない」「無関心」と感じてしまうかもしれません。

でも、実際には「集中して聞いているから黙っている」「表情で感情を表さない文化」など、背景があります。

たとえば、ベトナム人スタッフの中には、「まじめな話をしているときに表情を変えないのが礼儀」と考える人もいます。

つまり、表情や態度が“通じるサイン”とは限らないのです。

⑤ 指導側の壁:「教えたつもり」がすれ違いを生む

私たちが気づきにくいのが、「自分はちゃんと教えた」と思っているけれど、相手には伝わっていないケースです。

「前に言ったよね」「マニュアルに書いてあるよ」と思っても、それが相手にとっては理解しづらい言葉だったり、読む文化がなかったりすることもあります。

ある建設現場で、「図面通りにやって」と伝えたところ、相手は「図面を見ながらやる」という習慣がなく、全く違う作業をしてしまったという事例もあります。

つまり、“伝えたつもり”ではなく、“伝わったかの確認”こそが大事なのです。

「伝わる現場」にするための実践テクニック

① 「やさしい日本語」導入のコツと例文集

外国人スタッフとのやり取りでは、難しい言葉やあいまいな表現を避けて「やさしい日本語」を使うことが、とても効果的です。
なぜなら、日本語がある程度話せる外国人でも、「漢字」や「敬語」、「比喩的な表現」が苦手な人は多いからです。

たとえば、「そろそろ準備しておいてね」ではなく「いまからじゅんびをはじめてください」と伝えることで、タイミングと行動が明確になります。

言い換えの例:

  • 「お手すきのときに → ひまなときに」
  • 「なるべく早く → できるだけ はやく」
  • 「確認してください → ちゃんと みてください」

重要なのは、「やさしい=子どもっぽい」ではなく、「伝えるために整理された日本語」だということです。
現場でよく使うフレーズを事前に言い換えておくと、伝わりやすさが格段に上がります。

② 伝え方の型:「言う・見せる・やらせる」の3ステップ

「言ったのに伝わっていない」という場面を減らすには、言うだけではなく、視覚と体験を組み合わせることが効果的です。
そのために有効なのが、「言う・見せる・やらせる」の3ステップです。

たとえば、「この手順でシーツを取り替えて」と言うだけでは伝わりにくいですが、
① まず口頭で説明する(言う)
② 実際に自分でやって見せる(見せる)
③ スタッフ本人にやってもらい、確認する(やらせる)

この流れをセットにすることで、「わかったつもり」を防ぐことができます。

建設現場でも、「その材料はここに置いて」と伝えるより、「ここに置く」と実際に見せたうえで、本人にも一度置いてもらうことで、確実に覚えてもらえるようになります。

言うだけでなく、“見せて、やらせて、定着させる”ことが重要なのです。

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NICTが提供する音声翻訳アプリ「VoiceTra」のサポートページです。

③ LINE・翻訳アプリ・写真など道具の併用術

言葉だけでのやり取りが難しいとき、テクノロジーの力を借りるのも有効な手段です。
特に、LINEや翻訳アプリ、写真・動画は、現場で手軽に使える便利なツールです。

たとえば、LINEで「今から何をするか」「完了したか」を写真で送るだけでも、認識のズレを防ぐことができます。
また、翻訳アプリ(Google翻訳、VoiceTraなど)を使って、どうしても伝わらないときに音声でサポートするのも効果的です。

さらに、「写真を見せて指示する」「手順を動画で撮っておく」といった方法も、言葉より伝わるケースが多々あります。

ただし、アプリに頼りきるのではなく、あくまで“補助”として活用することが大切です。
現場では、複数の手段をうまく組み合わせて伝えるのが成功のコツです。

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おすすめの翻訳アプリ8選!メリットや注意点、選び方について解説|TRANSLATOR's
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④ 「伝わってないサイン」の見抜き方と対応法

外国人スタッフが「はい」と言っても、必ずしも理解しているとは限りません。
そこで重要なのが、「伝わっていないサイン」をいち早く察知することです。

代表的なサインには、

  • 返事はするが動かない
  • 目線が泳いでいる
  • 手が止まる/戸惑っている様子
  • 作業内容が指示とずれている

などがあります。

これに気づいたときは、責めるのではなく「いま、どうすればいいか分かる?」とやさしく確認しましょう。
また、「はい」だけで終わらせず、「じゃあ、いま何をする?」と逆質問をしてみると、本当に理解しているか確認できます。

大切なのは、「できないこと」より「まだ伝わっていないだけ」という視点を持つことです。
伝わっていないことに早く気づいて、補う行動ができるかどうかが、信頼関係にもつながります。

実際に“変わった”現場のリアルな事例

介護施設:名前を呼んだことで心を開いてくれた

ある中規模の介護施設では、ミャンマー出身の介護スタッフに対して、なかなか意思疎通がうまくいかず、現場責任者が悩んでいました。
「言ったはずなのに動かない」「何を考えているかわからない」と感じ、コミュニケーションに距離を感じていたそうです。

そんなある日、責任者が研修で「名前を呼んで声をかけると、相手は“自分が受け入れられている”と感じる」という話を聞き、試してみることにしました。

最初は照れくささもありましたが、朝のあいさつのときに「おはよう、ニョーさん」「今日もよろしくね」と名前を添えて話しかけるようにしたところ、
スタッフの表情が明るくなり、少しずつ自分から話しかけてくれるようになったのです。

それまで「黙っている=分からない」と思い込んでいた責任者は、「伝え方ひとつで、こんなに変わるんだ」と実感したといいます。

建設現場:ホワイトボードで“ミス激減”したチームの工夫

別の事例では、とある建設現場で、日々の作業指示がうまく伝わらず、工程の遅れややり直しが頻発していました。
原因は、朝礼での口頭指示が伝わりきっていなかったこと。特に新しく入ったベトナム人技能実習生には、日本語のスピードが速く、聞き取れない部分があったのです。

そこで現場リーダーが始めたのが、「ホワイトボード作戦」でした。
その日の作業手順をホワイトボードに図と簡単な日本語で書き出し、朝礼で確認。わからない言葉はその場で説明し、写真も貼りながら共有したのです。

結果、作業の理解度が格段に向上し、1か月で手戻りがほぼゼロに。
スタッフの方からも「何をすればいいか、よくわかるようになった」と好評で、現場の雰囲気も明るくなったといいます。

共通点:言葉より「関わり方」が信頼をつくる

これらの事例に共通しているのは、「語学力」や「完璧な説明」ではなく、相手を理解しようとする姿勢と、日々の関わり方の工夫が現場を変えたという点です。

「正確な日本語を話せるようにさせる」のではなく、「わかりやすく伝える」「伝わっているか確認する」「一緒に笑う」など、
人と人としての関係性を少しずつ築いていったことで、信頼とチームワークが育っていきました。

このような実例は、現場責任者の「ひとつの気づき」から始まっています。
あなたの小さな一言や行動が、スタッフとの関係性を大きく変える一歩になるのです。

伝わらないのは“能力”のせいじゃない

外国人スタッフもあなたも、悪くない

現場でうまくいかないとき、多くの人が「この子、能力が足りないのかな」「ちゃんと勉強してこなかったのかも」と、つい相手に原因を求めてしまいます。
でも、そうではありません。

うまくいかない原因の多くは、能力の問題ではなく“伝え方”のすれ違いにあるのです。

たとえば、「同じことを何度も言わせないで」と思ったとしても、それは相手の理解力が足りないのではなく、言い回しや伝える順序、確認の仕方に改善の余地があったのかもしれません。

そしてそれは、相手が悪いのではなく、「わかってもらうための工夫」が足りていなかっただけ。
外国人スタッフは、不安や緊張、文化の違いの中で必死に働いています。
その姿に、少しだけ視点を寄せてみてください。

大事なのは「どう言うか」より「どう関わるか」

言葉そのものも大切ですが、もっと大事なのはその人とどう関係を築くかです。
信頼関係ができていれば、多少言葉が足りなくても、気持ちで伝わることがあります。

たとえば、失敗をしてしまったスタッフに、「次はこうしてみようか」と声をかけるだけで、ぐっと表情がやわらかくなった。
そんな経験、ありませんか?

逆に、言葉では丁寧に伝えても、冷たい態度だったり、「どうせ伝わらない」と諦めてしまっていると、相手も心を閉ざしてしまいます。

つまり、伝える言葉以上に、“伝えようとする姿勢”が人を動かすのです。

小さな一言が、現場の空気を変える

今日、出勤したときに「おはよう、今日は寒いね」とひと言添えるだけで、その日の雰囲気は少し変わるかもしれません。

作業中、「ありがとう」「大丈夫?」と声をかけることで、外国人スタッフは「ここにいていいんだ」と安心できます。

そのひと言が、あなたにとっては何気ないものでも、相手にとっては「この人は自分のことをちゃんと見てくれている」というサインになるのです。

コミュニケーションは、特別な技術ではありません。
日々のちょっとした言葉、態度、タイミングの積み重ねです。

「伝わらない」と悩むあなたにこそ、“伝えようとする力”がある。
だから、どうか自信を持って、一歩踏み出してみてください。

※本記事は2025年5月時点の情報に基づいて執筆されています。今後、法改正・制度運用変更等が行われる場合がありますので、最新情報は出入国在留管理庁やJITCOの公式発表をご確認ください。※掲載されている事例の一部は、取材結果を元に再構成しています。個人や企業が特定されないよう一部内容を変更しています。※記事内に記載された制度情報・運用情報は、法人向け人材採用の判断材料としてご活用ください。個別ケースへの適用にあたっては、専門家や支援機関への相談を推奨します。

※ 本記事で紹介している各国の「性格傾向」や「国民性」については、現場で多く聞かれる一般的な印象・傾向をもとにしています。当然ながら、個々の人材には多様な背景や個性があり、一概に国籍だけで性格や適性を判断することはできません。採用にあたっては、国籍だけでなく、人柄や価値観、コミュニケーションの姿勢といった“個人としての特性”を丁寧に見極める視点が重要です。

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