外国人採用で実際にかかる費用とは?【結論:想像より現実的です】
「外国人を採用したいけれど、いったいいくらかかるのだろう?」──これが、最初に多くの中小建設会社の方が抱える疑問です。制度は分かりづらく、インターネットの情報も断片的で、結局「高そうだからウチには無理」と諦めてしまっている会社も少なくありません。でも、実は“ちゃんと知れば”想像より現実的で導入しやすいのが「特定技能」の特徴です。ここでは、初期費用・毎月かかるコスト・建設業ならではの制度費用について、具体的にわかりやすく解説していきます。
初期費用の内訳と相場
特定技能の外国人を採用する際には、まず最初にかかる「初期費用」があります。この段階でかかる主な費用は、大きく分けて3つです。
1つ目は、人材紹介料です。送り出し機関や人材紹介会社を通して外国人を採用する場合、1人あたり30万円〜60万円程度が一般的です。採用人数が多ければ交渉余地もあります。
2つ目は、渡航費やビザ申請などの諸手続き費用です。航空券代に加え、在留資格申請のための手数料や書類作成費などが含まれ、概ね5〜10万円程度を見込んでおくと良いでしょう。
3つ目が、住居や生活環境の整備費用です。入居先を用意し、必要な家具・家電・生活用品をそろえる場合、10万円前後かかるケースもあります。
これらを合計すると、1人あたり40〜80万円程度が初期費用の目安となります。

継続的に発生する費用(月額・年額)
採用後は、「毎月」または「定期的に」発生するコストも存在します。特に意識すべきは、次の3点です。
まずは、登録支援機関への委託費用です。特定技能の外国人を受け入れる場合、生活支援や相談対応などが法律で義務づけられています。これを外部の登録支援機関に委託すると、月額1万〜3万円程度が相場です。
次に、在留資格の更新や試験関連の費用です。特定技能は最長5年の在留資格ですが、1年または6ヶ月ごとの更新が必要です。更新ごとに数万円程度のコストがかかることを想定しておきましょう。
そして最大のポイントが、人件費そのものです。外国人だからといって安く雇えるわけではありません。最低賃金はもちろん、社会保険や交通費など、日本人と同等以上の待遇が求められます。これを含めて、年間の総人件費は300万〜400万円前後になるケースが多いです。
建設業界ならではの制度的コスト
建設分野で外国人を受け入れる場合、他業種にはない「業界独自の制度的コスト」も存在します。
最も代表的なのが、建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録費用です。これは国が推進する技能者管理システムで、特定技能人材を受け入れる企業には原則登録が義務化されています。費用は会社の資本金によって異なり、年間6,000円〜24万円程度と幅があります。
さらに、JAC(建設技能人材機構)の年会費や受入負担金も必要です。年会費は一律24万円/年。受入負担金は、1人あたり月額1万2,500円〜2万円とされています。
このように、制度的な費用は見落としがちですが、建設業での受け入れには欠かせないポイントです。導入前にしっかりと把握しておくことで、「後から知って困った」というトラブルを防ぐことができます。

費用を抑えるための実践ポイント【無理なく導入するために】
「初期費用や毎月の支出が思ったよりも現実的だったとはいえ、やはり会社としては少しでもコストを抑えたい」。これは、多くの中小建設会社が感じている本音です。そこでこのセクションでは、特定技能の外国人採用をなるべく負担を少なく導入する方法を具体的にご紹介します。うまく工夫すれば、初期費用を半分近く抑えることも可能です。
国内在住の外国人を採用する
まず一つ目の費用削減方法は、すでに日本国内にいる外国人を採用することです。
多くの企業は、送り出し機関や海外から人材を手配することで、高額な紹介手数料や渡航費を支払っていますが、実は特定技能の資格をすでに持っていたり、技能実習から切り替え可能な外国人が日本国内に多数います。
国内採用であれば、渡航費やビザ発給関連の手続き費用が不要になりますし、すでに日本の生活に慣れているため、生活支援の負担も軽減されます。場合によっては、紹介料も抑えられ、初期費用を20万円以上減らせるケースも珍しくありません。
技能実習からの移行人材を活用する
2つ目のポイントは、技能実習生から特定技能への移行人材を活用することです。
特定技能1号は、技能実習2号を良好に修了した人であれば、試験を免除されてそのまま移行が可能です。
このパターンを活用すれば、すでに現場で経験のある人材を引き続き雇用することができるため、即戦力としての効果が高いだけでなく、定着率も向上します。
さらに、送り出し機関を再度通す必要がなくなるため、紹介料も抑えられます。これにより、費用だけでなく時間や手続きの手間も削減でき、経営者にとっては非常にメリットの大きい選択肢です。
登録支援機関を賢く選ぶ
3つ目の工夫は、登録支援機関の選び方です。
登録支援は、法律で定められた10項目以上の支援義務を代行する重要な業務ですが、支援機関によってサービス内容や料金体系には大きな差があります。
例えば、定額制(月額3万円)で全支援込みの支援機関もあれば、安く見せておいて別料金で加算されていくタイプの支援機関もあります。
ここで大事なのは、「料金の安さ」だけでなく「支援の質」と「隠れコストがないか」を見極めることです。
信頼できる支援機関を選ぶことで、結果的に離職リスクの低減や行政対応の負担軽減にもつながり、長期的には大きなコスト削減になります。

助成金・補助金の活用でさらにハードルを下げる
「費用が現実的だとわかっても、やっぱりできるだけ出費は減らしたい」──そう感じるのは自然なことです。実は、特定技能外国人を採用する企業に対して、国や地方自治体が助成金や補助金を用意しているケースがあります。適切に申請すれば、導入時の費用負担を大幅に軽減できる可能性があります。このセクションでは、今すぐ知っておきたい代表的な支援制度と、スムーズな活用のためのポイントをご紹介します。
国の制度:人材確保支援助成金などの概要
まずは、厚生労働省が管轄する「人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)」が代表的です。
これは、外国人労働者の雇用管理制度を導入した企業に対し、1社あたり最大72万円の助成が行われる制度です。就業規則や評価制度、日本語教育支援の導入などが対象になりやすく、支援制度の中でも実用性が高いものの一つです。
また、業種によっては「キャリアアップ助成金」や「特定求職者雇用開発助成金」などの制度も活用可能です。
これらは中小企業でも対象になるケースが多く、人材の定着支援や労働環境の改善を目的にした制度として使いやすくなっています。
地方自治体の支援制度
国の助成金だけでなく、地方自治体が独自に用意している支援制度も見逃せません。
例えば東京都では、外国人材受け入れにあたっての生活支援や日本語教育にかかる費用を補助する制度が用意されており、上限30万円まで補助されるケースもあります。
介護や建設など人手不足が深刻な業種を対象に、外国人受け入れ促進のための相談窓口や費用補助制度が設置されている県もあります。
他にも、一部の地方自治体の地方部では、企業誘致や定住支援の一環として外国人雇用に関する補助金が活用できる例も出てきています。
このように、自治体によって内容や金額が異なるため、自社が所在する都道府県の公式ホームページや商工会議所に一度問い合わせることが有効です。
助成金申請はプロに任せるという選択肢
助成金は「もらえたらラッキー」というより、「正しく準備すれば、ちゃんと受け取れる制度」です。ただし、その反面、申請には専門的な知識や正確な書類が求められます。
そこでおすすめなのが、社会保険労務士(社労士)や行政書士に相談・依頼することです。
費用の目安は1申請あたり5万~15万円程度ですが、受給金額が大きければ十分に元は取れます。何より、手続きの負担やミスのリスクが大幅に減るという点で、経営者にとっては安心材料となるはずです。
「書類が苦手」「制度を調べる時間がない」と感じる中小企業こそ、専門家の力を借りることで、助成金の恩恵を確実に受けられる可能性が高まります。
※本記事の情報は、JITCO、厚生労働省、建設業関係団体の公表資料(2025年5月時点)に基づいて構成されています。
※実際の導入にあたっては、最新の省庁通知および支援機関への確認をおすすめします。

導入すべきかどうかの判断軸と費用対効果の視点
ここまでで「費用の全体像」や「助成金で軽減できること」はわかったものの、「それでも本当に自社に合っているのか?」という判断に迷う方も多いでしょう。このセクションでは、特定技能人材の導入が自社にとって有効かどうかを見極めるための視点をお伝えします。費用の多寡だけでなく、「リターン(定着・戦力化)」も含めた費用対効果の考え方がカギです。
技能実習と特定技能の費用・制度比較
多くの建設会社では、すでに技能実習生を受け入れてきた経験があるかもしれません。
そのため「特定技能に切り替えると高くなるのでは?」という印象を持たれがちですが、実際には単純比較できない構造的な違いがあります。
技能実習制度は「研修制度」であり、監理団体を通す必要があります。そのため、監理費用(毎月5万〜6万円)や送出し機関への支払いが加算され、見えにくいコストが多く発生します。
一方、特定技能制度は「労働者」としての在留資格であるため、給与は日本人と同等ですが、制度的な中間コストが少ない分、透明性が高いのが特徴です。
つまり、特定技能は“高い”のではなく、“見えやすい”だけなのです。長期的に見れば、実習制度よりも柔軟性があり、更新・再雇用も可能な分、費用対効果の面では有利な選択肢となります。
年間人件費モデル(例:20代男性、東京勤務)
実際の金額感をつかみたい方のために、モデルケースを1つご紹介します。
たとえば、東京都内で20代男性の特定技能人材を1名雇用した場合、以下のような費用がかかります(目安):
- 月給:22万円
- 社会保険・交通費など:約5万円/月
- 登録支援費:3万円/月
- 年間の制度費用(JAC負担金・CCUS登録料など):約15万円
これらを合計すると、年間総コストは約370万〜400万円前後です。
一見高く見えますが、これは日本人の若手社員を採用・育成する場合とほぼ同等です。
しかも、外国人材は「働きたい」という強い意欲があり、定着率が高く、戦力化までのスピードも早いというメリットがあります。
自社に向いているか?簡易チェックリスト
最後に、特定技能人材の導入が「自社に向いているかどうか」を判断するための簡易チェックをご用意しました。
以下のうち、3つ以上当てはまれば、導入を前向きに検討する価値があります。
- □ 日本人の若手がなかなか採用できない
- □ 技能実習生を雇っていたが更新が難しい
- □ 長く働いてくれる人材がほしい
- □ 現場の職人から「人手が足りない」と言われている
- □ 現場に最低1人は日本語が話せる社員がいる
- □ 社内に外国人受け入れの雰囲気・理解がある
- □ 地域に行政や支援団体がある(支援環境がある)
このチェックを通して、「あ、うちでもいけるかもしれない」と思えたら、まさに今が動き出すタイミングです。

【まとめ】“高い”と思っていた特定技能、実は現実的な選択肢です
ここまでお読みいただいた方は、特定技能外国人の受け入れが「想像より現実的」であることを実感していただけたのではないでしょうか。初期費用、月々の支援費、制度的なコスト──たしかに一定の負担はありますが、それらを補って余りある定着率・即戦力性・制度の透明性が、この制度の最大の魅力です。最後に、この記事のポイントを振り返りながら、導入に向けた一歩を後押しします。
実際に導入して成功している中小建設会社の例
ある埼玉県の中小建設会社では、長年技能実習制度を使ってきましたが、管理費用の高さや送出し国との調整の煩雑さに悩んでいました。
2023年に特定技能へ切り替え、国内在住の人材を採用したところ、初期費用を大幅に抑えつつ、日本語レベルの高い即戦力人材を確保。現場の作業効率が改善し、社員の残業も減ったといいます。
また、東京都内の別の建設会社では、助成金制度を活用して日本語教育支援の仕組みを整え、3人の外国人材をスムーズに受け入れました。結果的に、1人あたり20万円近くの補助金を得て、実質的な採用コストは約半額に抑えられたそうです。
このように、特定技能の導入は「コストをかけた分の成果が見える」制度であり、適切に活用すれば中小企業でも十分に効果を得られるのです。
費用は「コスト」ではなく「未来への投資」
特定技能の導入を「コスト」としてだけ見ると、確かに負担に見えるかもしれません。
ですが、それは「未来の人材基盤への投資」と捉えることで、まったく違う風景が見えてきます。
✔ 社員の業務負担が減る
✔ 現場の安定稼働が実現する
✔ 若い人材の確保が継続できる
✔ 多様な視点が職場に入り、企業の柔軟性が高まる
こうした効果を得るための“先行投資”として、特定技能は非常に合理的な選択肢です。
日本人の若手採用が難しくなる中、「いま導入しない理由はあるか?」と問い直す時期に来ているとも言えます。
今動けば、将来の人材確保に大きな差がつきます
人材確保に本気の会社は、すでに動き始めています。制度は整備され、支援機関も充実し、導入のハードルは年々下がっています。
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※本記事は2025年5月時点の情報に基づいて執筆されています。今後、法改正・制度運用変更等が行われる場合がありますので、最新情報は出入国在留管理庁やJITCOの公式発表をご確認ください。※掲載されている事例の一部は、取材結果を元に再構成しています。個人や企業が特定されないよう一部内容を変更しています。※記事内に記載された制度情報・運用情報は、法人向け人材採用の判断材料としてご活用ください。個別ケースへの適用にあたっては、専門家や支援機関への相談を推奨します。
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