インドネシア人介護士と働いた現場のリアル
「インドネシア人の介護士って、実際どうなんだろう?」そう感じている方は少なくないはずです。制度やコストは調べれば分かるけれど、現場での人間関係や働きぶりはなかなか見えてこないものです。ここでは、実際にインドネシア人介護士と一緒に働いた介護施設の現場から、「見えてきたこと」を率直にお伝えします。

実例①:利用者から愛される存在になったインドネシア人介護士
介護の現場で最も大切なもの、それは「利用者との信頼関係」です。ある施設では、インドネシア人の若い女性スタッフが入職して半年後、利用者から名前で呼ばれ、「○○さんにだけはお願いしたい」と言われる存在になっていました。
その理由は明確です。彼女は笑顔を絶やさず、言葉が通じにくくても根気よく話しかけ、相手の表情やしぐさから気持ちを読み取ろうと努力を重ねていました。
最初は警戒していた認知症の高齢者も、いつしか彼女の手を握って離さなくなったといいます。
結論として、インドネシア人介護士は、その温かさと丁寧さで利用者の心をつかむ力を持っています。語学力以上に、「人としての接し方」が信頼を生むことを、この事例は教えてくれます。
実例②:文化や言葉の壁を超えてチームに溶け込んだ過程
「日本語があまり話せない外国人スタッフとうまくやっていけるのか?」という不安は、多くの介護施設が抱える共通の課題です。しかし、ある現場ではその不安が思わぬ形で払拭されました。
インドネシア人の男性スタッフが入職した当初、指示をうまく理解できず、日本人スタッフの間で苛立ちが広がる場面もありました。
ところが彼は、自分が失敗したことをきちんと記録し、「つぎは絶対に同じことをしない」と行動で示し続けたのです。
日本人スタッフ側も徐々に「ゆっくり話す」「指示を紙に書く」などの工夫を始め、半年後には「チームの中で一番気が利く存在」と言われるまでに。
このように、最初に壁があったとしても、相互の歩み寄りがあればチームワークは生まれます。大切なのは完璧な日本語より、誠実さと継続的な姿勢です。
実例③:他国籍スタッフと比べたときの違いや印象
現在、日本の介護現場には多国籍の人材が働いています。ベトナム・フィリピン・ネパールなど、それぞれに特性がありますが、インドネシア人には独自の魅力があります。
ある施設の管理者は、「ベトナム人は器用で動きが早いけれど、インドネシア人は人当たりがやわらかく、聞き役としてとても優秀」と語ります。
また、イスラム教に基づく価値観からか、上司や年長者を敬う姿勢が自然にあり、「報連相がきちんとしている」と感じる声も多く聞かれます。
もちろん個人差はありますが、「丁寧」「まじめ」「やさしい」といった傾向は、現場でも強く印象に残っているようです。他国籍のスタッフと比較しても、利用者との接点が多いポジションでの相性の良さは際立っています。

なぜ今、インドネシア人介護士が注目されているのか?
外国人介護人材の受け入れが広がる中で、インドネシア人に注目する介護施設が増えています。でも、なぜ「インドネシア人」なのでしょうか?他の国にも候補はいるのに、今このタイミングでインドネシア人が選ばれる理由には、制度的・文化的・人的な背景があるのです。
背景:介護人材不足と外国人受け入れの潮流
日本の介護業界は今、深刻な人材不足に直面しています。高齢化が進む一方で、介護職に就く日本人は減り続けており、厚生労働省の推計では、2025年には約32万人の介護人材が不足するといわれています。
こうした背景から、外国人の受け入れが国策として進められ、EPA(経済連携協定)や技能実習、特定技能といった制度が整備されてきました。これにより、インドネシアをはじめとしたアジア諸国からの人材受け入れが現実のものとなっています。
特にインドネシアは、2008年からEPAを通じて介護分野に人材を送り出しており、日本との信頼関係や制度上の枠組みが確立されている国です。これが、「インドネシア人なら安心して雇える」という施設側の安心感につながっています。
インドネシア人の人柄と宗教文化的背景(イスラム教)
インドネシア人が介護施設に受け入れられやすいもう一つの理由は、その「人柄」と「宗教文化」にあります。
インドネシア人は一般的に温厚で、人と人との関係を大切にします。家族を思いやる気持ちが強く、「人の世話をする」ことに対して自然な姿勢を持っていることが多いです。
ただし、宗教的にはイスラム教徒が多く、食事(ハラール)や礼拝の習慣、同性介助に対する考え方など、文化的な配慮が必要です。
しかし逆にいえば、これらの習慣を理解し、丁寧に対応することができれば、彼らの誠実な姿勢が職場に安心感をもたらし、利用者との信頼構築にもつながります。
他国との比較で見える、インドネシア人材の特徴と相性
外国人介護士の出身国はさまざまですが、インドネシア人はその中でも「介護職との相性が良い」と評価されることが多いです。
たとえばベトナム人は機敏で技術習得が早く、フィリピン人は英語力と明るさが武器ですが、インドネシア人の特性は「誠実さ」と「柔らかい人当たり」です。
ある施設長は、「インドネシア人は指示を素直に受け止め、改善意欲が高い」と述べており、長期的な定着率の高さにもつながっています。特に高齢者施設では、利用者とのコミュニケーションの中で「話をよく聞く力」が求められるため、彼らの穏やかな性格が強みになります。
文化的な相性が良ければ、ストレスや摩擦が少なく、結果的に定着率や職場の満足度にもつながるということです。
このように、制度的な枠組み、人柄、文化的背景を総合的に見て、今インドネシア人が注目されているのには確かな理由があるのです。
※ 本記事で紹介している各国の「性格傾向」や「国民性」については、現場で多く聞かれる一般的な印象・傾向をもとにしています。当然ながら、個々の人材には多様な背景や個性があり、一概に国籍だけで性格や適性を判断することはできません。採用にあたっては、国籍だけでなく、人柄や価値観、コミュニケーションの姿勢といった“個人としての特性”を丁寧に見極める視点が重要です。
採用時に起こりやすいトラブルとその予防策
外国人を受け入れる際に、トラブルがゼロというわけではありません。実際の現場では、次のような問題がしばしば報告されています。
- 意思疎通のズレ:日本語の指示が十分に伝わらず、業務ミスが発生する。
- 文化・宗教の誤解:礼拝の時間を確保できず、不信感を抱かれる。
- 人間関係の摩擦:日本人スタッフが「気をつかいすぎて疲れる」と感じるケースも。
これらのトラブルの多くは、事前の情報共有不足と教育不足が原因です。防ぐためには、以下のような工夫が効果的です。
- 指示は「口頭+メモ」で伝える
- 日常会話レベルの日本語でも伝わるような研修を実施する
- 宗教や文化についての簡単な勉強会を日本人スタッフ向けに行う
「完璧に理解している前提」ではなく、「ゆっくり、確実に伝える姿勢」が職場全体に根付くと、トラブルは確実に減っていきます。
信頼できる送り出し機関・登録支援機関の選び方
制度を理解しても、実際の採用は「送り出し機関」や「登録支援機関」との連携が不可欠です。ここを誤ると、採用後に大きな後悔につながるリスクがあります。
送り出し機関は、インドネシア側で候補者の教育・面接・送り出しを担う機関です。登録支援機関は、日本側で外国人の生活や業務に関する支援を行います。
信頼できる機関の選び方としては、以下のポイントが重要です。
- 候補者の日本語教育がどこまで徹底されているか
- 過去に送り出した人数や定着率の実績
- 書類だけでなく面談時の対応力や誠実さ
- 支援内容の具体性と明文化された契約内容
特に、実地教育の有無や面接前の人材理解の深さは、現場での定着に大きく影響します。「安いから」「紹介されたから」だけで決めず、慎重に見極めることが大切です。
採用はあくまでスタート地点です。現場に根付く人材を育てるには、制度の選択だけでなく、「準備と理解の深さ」が結果を大きく左右することを忘れてはなりません。

現場で定着させるために必要な「受け入れ力」
採用して終わりではなく、そこからが本当のスタートです。実際に現場で長く働いてもらうには、「外国人スタッフのがんばり」に期待するだけでは不十分です。日本人スタッフや施設全体に求められる「受け入れ力」こそが、定着率と職場の雰囲気を左右します。この章では、定着のために実際に効果のあった支援策を具体的にご紹介します。
現場での支援体制:日本語教育・生活サポート・相談窓口
外国人スタッフが安心して働ける環境には、「業務支援」だけでなく「生活支援」が不可欠です。ある施設では、日本語の「やさしい言い換えリスト」を独自に作成し、業務指示をわかりやすく伝える工夫を行っています。
また、仕事以外の部分、たとえば役所での手続きの同行や、銀行口座・携帯電話の契約サポートなど、「日常生活の壁」を取り除く支援が、心の安定につながります。
さらに、定期的な1対1の面談や相談窓口を設けることで、「悩みを抱え込まず、早期に相談できる」環境が整い、離職リスクを減らす結果となっています。
宗教や文化への配慮:実際に行われている対応事例
インドネシア人スタッフの多くはイスラム教徒です。そのため、配慮すべき点は少なくありませんが、難しく考える必要はありません。
たとえば、ある施設では礼拝のための「静かなスペース」を確保し、休憩時間の調整も柔軟に対応しました。食事に関しても、ハラール対応の食品を自炊できるよう、寮のキッチンを整備しています。
最初は戸惑っていた日本人スタッフも、「文化を理解しようとする姿勢が、信頼関係につながる」と感じるようになり、職場の空気も柔らかくなったと言います。
相手を特別扱いするのではなく、「違いを尊重し、共に働く仲間として受け入れる姿勢」が、定着のカギです。
日本人スタッフへの事前理解と協力体制の作り方
外国人スタッフがうまく定着できるかどうかは、日本人スタッフの理解度と対応力にかかっています。
そのため、受け入れ前の説明会や簡単な異文化理解研修がとても効果的です。
ある施設では、「言葉が通じにくいのは当たり前」「失敗はお互いさま」という共通認識をチーム内で事前に共有したことで、トラブルが減り、サポートが自然に行えるようになったといいます。
また、「日本語の話し方をゆっくりにする」「ジェスチャーを加える」「確認のタイミングを多く取る」といった日常的な小さな工夫が、インドネシア人スタッフにとっては大きな助けとなります。
日本人側が「教える立場」から「一緒に育てる仲間」へと意識を変えることで、職場全体の空気が変わり、定着率も大きく向上するのです。
インドネシア人スタッフが職場に根づき、長く働き続けるためには、「制度」や「日本語力」以上に、施設全体の“受け入れ力”が問われます。
そしてその“力”は、特別なノウハウよりも、「相手を理解しようとする姿勢」から始まるのです。

まとめ:ともに働くことで見えた「人」としての価値
インドネシア人介護士と働くことで、最初に見えるのは「言葉の壁」や「文化の違い」かもしれません。けれど、共に時間を過ごすうちに、それらを超えて「人と人としてのつながり」が生まれていきます。この最後の章では、現場の体験を通して私たちが気づいた、“本当に大切なこと”をお伝えします。
インドネシア人は単なる労働力ではない
介護施設において、外国人を「人手」として受け入れるだけでは、定着も、信頼も得られません。
ある施設では、インドネシア人のスタッフが、自分の担当利用者の誕生日に手作りのメッセージカードを渡していました。彼女にとっては当たり前の「やさしさ」だったそうですが、それを見た利用者が涙を流して喜び、周囲の日本人スタッフも感動したと言います。
この出来事は、彼女がただの“労働者”ではなく、心を持った“仲間”として職場にいることを、強く実感させるものでした。
文化の違いは壁ではなく、職場を豊かにする「きっかけ」
イスラム教の礼拝の時間、独特の食文化、家族を大切にする価値観──
日本とは異なる背景を持つインドネシア人と働くことは、最初こそ「面倒」「ややこしい」と感じるかもしれません。
しかし、あるベテラン日本人スタッフはこう語っています。
「最初は不安だったけど、彼らと話すうちに“多様な考え方”を知れて、自分自身の接し方も変わった。今では、私のほうが学ばせてもらっている気がするんです」
文化の違いに目を向けることは、「私たちの側の当たり前」も見つめ直す機会になります。そして、それが職場全体の空気を、より寛容で柔らかいものに変えていきます。
介護の現場を支える“仲間”としての可能性に目を向けてほしい
インドネシア人介護士は、ただ“人手”を埋めるための存在ではありません。
彼らは、まじめで、家族思いで、人を思いやる心を自然に持っている、かけがえのない“仲間”になれる存在です。
もちろん、制度や文化の違いに起因する課題はあります。しかし、それらを一つずつ丁寧に向き合っていけば、必ず乗り越えられます。そしてその先には、日本人スタッフだけでは実現できなかった「新しい職場のかたち」があります。
もしあなたが今、インドネシア人介護士の受け入れに一歩踏み出そうか迷っているのなら――
どうか、彼らを「信じてみる」ことから始めてください。
きっと、あなたの施設にも、思っていた以上の温かさと変化が訪れるはずです。
※本記事は2025年5月時点の情報に基づいて執筆されています。今後、法改正・制度運用変更等が行われる場合がありますので、最新情報は出入国在留管理庁やJITCOの公式発表をご確認ください。※掲載されている事例の一部は、取材結果を元に再構成しています。個人や企業が特定されないよう一部内容を変更しています。※記事内に記載された制度情報・運用情報は、法人向け人材採用の判断材料としてご活用ください。個別ケースへの適用にあたっては、専門家や支援機関への相談を推奨します。
※ 本記事で紹介している各国の「性格傾向」や「国民性」については、現場で多く聞かれる一般的な印象・傾向をもとにしています。当然ながら、個々の人材には多様な背景や個性があり、一概に国籍だけで性格や適性を判断することはできません。採用にあたっては、国籍だけでなく、人柄や価値観、コミュニケーションの姿勢といった“個人としての特性”を丁寧に見極める視点が重要です。
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